妊娠34週 羊水過少症 管理入院1日目
午後から入院。
病棟の説明後、ベッドに案内されてパジャマに着替え。
心拍モニタリングの後、点滴用に血管を確保するための注射。
4回失敗されて、5回目にようやく確保。痛い!!
私は血管を取りにくいようで、採血も1回でできることはまずない。
その後、マルトス輸液500mlを点滴。
羊水に浸透しやすいそうで、羊水量を安定、増加させる効果があるらしい。
夜には胎児の心拍確認。
食事は味気ない病院食を予想していたけど、けっこうなボリューム。
シャワーの後、10時消灯。
本当に真っ暗になるけど、前日まで普通に働いて寝る時間も0時過ぎだったのでまったく寝付けない。しかも、もともと眠りが浅く、不眠傾向のため、環境の変化についていけない。何度かウトウトして起きる、っていうのを5回以上繰り返してぼーっとしたまま朝。
妊娠33週、羊水過少
妊娠中期になっても、後期になっても続くつわり(後半は医学的につわりではなく、通称「後づわり」という別の反応らしい)と闘いつつも、胎児の状態は順調で、どうにか33週まできました!
ところが、33週の妊婦検診で初めて外来で担当になった医師の様子がちょっとおかしい。
エコーを注意深く見ている。今日はずいぶん時間かかるなー。このドクター、新しい人なのかな、機材使い慣れていないのかな、なんて考えていたら「羊水が少ないようです」って。
別室での説明となり、「羊水過少で胎盤機能が低下している疑いがあるので、管理入院しましょう」と。
ええっ!?
これは土曜のこと。胎児の心拍モニタリングで問題あれば即入院とのことだったが、胎児は元気なことがわかり「月曜から管理入院を」と言われる。でも私は翌週金曜まで仕事、次の土曜から産休に入る予定だったので、月曜入院なんて無理。
「土日では職場の人に伝えようもないし、引継ぎも終わってないので、月曜だけは出勤したい」
と頼み込んで、OKをもらう。
羊水インデックス5cmが判断ラインだが、私は4.99cmとのこと。ギリギリライン上で、一刻を争うほどの事態ではないとのことで猶予をもらった。
しかし管理入院したからといって、羊水量が劇的に増えるわけでもなく、機能が落ちているかもしれない胎盤が新しくなるわけでもなく、状態次第では早めに分娩誘発か帝王切開になるらしい。
これは大変。産休に入ってからベビー用品のレンタル手続きとか、子どもの名前とかパートナーと決めようと思っていたし、その他諸々の自分の用事を済ますつもりだったのに、早めに生まれちゃうのかも!?時間がない!
でももう1回測定したら、羊水の量標準なんじゃないかと、心のどこかで疑っている私。
5回目の人工授精(2018年7月)、そして妊娠、クリニック卒業
不妊治療を始めてからパートナーとの仲が悪くなってきて、セックスは人工授精でするもの、くらいの冷めっぷりになってしまった。
子どもがいても、いなくても、仲良くしたいのに、もう治療もやめ時かな~と考えながらも、やめるタイミングがわからない。
臼井医院では人工授精を5回してもクリニックを卒業できないなら、体外受精へのステップアップをすすめるとのこと。でも体外受精は1回30~40万円と高額だし、身体的にもかなりの負担。そこまではしないと決めていた。
だから私はもう1回だけ、人工授精をすることにした。
泣いても笑ってもこれが最後、と思うと少しすっきりした気持ちになったし、人工授精前には長野のブルワリーやワイナリー巡りを楽しみ、大好きなお酒をたくさん飲んでおいた。
そんな気分転換がよかったのか、半年前から飲み始めた漢方の効果があったのか、1か月後には妊娠が判明。これまで2回の流産が嘘のように順調な経過で、無事臼井医院を卒業。
予想もしなかった展開に感情的になる余裕もなかったのだけど、今後受診する産院への紹介状をもらう時には突然ボロッと涙が出てしまった。
4回目の人工授精(2018年7月)
6月はパートナーとの仲が悪すぎて見送ったが、7月はまぁまぁ安定していたので、人工受精をすることに。
うまく土曜にタイミングが合い、彼もお休みなので気は楽。
臼井医院では、8時半までに精液を持って行き、クリニックで洗浄やら運動率を高めるような処理の後、11時から順次注入、という手順。
平日は私ひとりの時もあるが、土曜ということもあり、今日は5人も待っている。
全員人工授精する女性たち。
みんな顔を突き合わせて待っている様子がなんだか不思議だ。
今回はかなり痛みを感じた。人工受精時の痛みはかなり個人差があるようで、ある友人は「すごく痛くて、もうしたくなかった」とか。私は過去3回、お腹がギュっとするような気持ち悪さはあったが、それほど痛くはなかった。でも今回は、注入の時から痛い。
その後も3週間ずーっと、なんとなくチクチクするような痛みが続き、「これはきっと妊娠だ」と思い込んでいた。ネットを見ると、受精卵が着床する際に痛みがあるとか、出血があるとか、いろいろ書いてある。
でも、結局違った。生理がきてしまった。
思い込んだ情報はしつこく頭に残るもので、生理がきても
「これは妊娠初期の症状!?」
という希望を捨てられない。あとで考えると笑ってしまうのだけど、経血量がいよいよ多くなって生理だったと認めることになる。
私はどうしたいのかなぁ・・・。とぐるぐるしてしまう。
流産がこわい(2018年6月ごろ)
クリニックでは、「生理を1周期やり過ごしてから、不妊治療を再開しましょう」とのことだったが、とにかく流産がイヤで、怖くて、妊娠にあまり前向きになれない日が続いた。
2月に流産の手術をした夜、パートナーと夕食のことでもめてしまい、彼との関係もますます不安定になってしまった。
本当に些細なこと。彼は私の分も「夕食買って帰るよ」と言っていたのに、帰りが遅くなって、買う時間もなくなったことに、私が腹を立てた。
「私ばっかりなんでこんなに痛い思いしないのいけないの」
というイライラがむくむくわいてきて、まったく鎮まらない。
不妊治療はあまりに不公平感が強い。
仕事の都合をつけて、職場を休んだり、早退や遅刻をしながらクリニックに通って、採血や排卵促進剤のために注射を何度も打ち、排卵の状況に一喜一憂し、人工授精を受けるのは全部、私。
「オレだって大変なんだ」
と言うけど、あなたは容器に射精して終わりじゃない。
「平日は仕事前に射精する気分になんてなれないのに。
採取後も精液がしばらくダラダラ出るんだ。自分ならイヤだろう」
と言うけど、それって痛くもかゆくもないじゃない。
妊娠がわかってからはつわりに苦しんで、流産が決まってもつわりは続いて、痛い手術をして、体調が戻るにはしばらくかかって、なんで私ばっかり。
どうやってもパートナーとこの気持ちは分け合えないんだとよくわかった。
それでもちょっとだけ自分を奮い立たせて、6月はクリニックに行ってみたが、直後にパートナーとケンカ。とても人工受精する気になれなくて、予約をキャンセルしてしまった。不妊治療をきっかけにパートナーとうまくいかなくなるって聞くけど、その気持ちよくわかる。彼もきっとそう思っているんじゃないかな。子どもが目的で一緒にいるわけじゃ、ないのにね。
「つわり」について覚書
ほんの8週で流産が決定した今回の妊娠だが、前回以上に「つわり」と思われる症状がひどかった。忘れないうちに書き留めておこう。
・今回の特徴が悪寒。4週目あたりから体がゾクゾク、お腹がザワザワする感じがずっとあった。
・とにかく気持ちが悪い
・口の中が常に甘い
・味覚が変化し、カリカリ梅やレモンのはちみつ漬けといった酸っぱいものを欲する
・好きだった緑茶がおいしいと思えなくなり、そば茶もにおいがダメ、ほうじ茶ならOK
・コーヒーもそれほど欲しなくなる(でもたまに飲みたくなる)
・ミントの強い歯磨き粉も甘さが残って使えなくなった
・生のたまねぎも口の中に甘さが残って、翌日も気持ち悪いくらい
(水にさらしてもダメ)
・吐くことはないが、常に何かを口に入れていないと口の中が甘くて気持ち悪い
・食欲はあるのに、お昼何を食べたいかわからない
・歯磨きをして舌を磨く時、必ず「オエー」っとおっさんみたいにえづき、少し楽になる
・朝の通勤電車が特に気持ち悪い
・首を回す運動をすると気分が悪くなる。特に目をつぶって首を回すと本当に気持ち悪い
・食欲は変わらず、突然ラーメンとかクリームソースのパスタとか、こってりしたものが食べたくなる。でも次の瞬間、寿司とか肉とか全然違うものが食べたくなる。でも消化が遅いので食べ過ぎると吐いてしまう
心拍が確認できず、流産決定でも、お腹に入れている間はこんな症状が続くので、
「もしかしたらミラクルが起きて、赤ちゃん生きているんじゃないか」
と希望を持とうとするが、やっぱりダメなものはダメなよう。
流産手術が終わったらすぐ、つわりは収まり、あれは何だったんだと思うくらい普通の食生活ができるようになる。人間の身体って本当にわからないものだ。
2回目の流産(2018年2月)
30分くらいウトウトして気づいたけれど、やっぱり麻酔の影響で目の周りに星が舞っている感じ。どこかに焦点を合わせるのがつらくて、時計も見たくないくらい。
「目が覚めて初めてトイレに行く時は看護師を呼ぶように」
と言われていたのでナースコールをしてフラフラとお手洗いへ。
当日0時から絶食だったが、飲まず食わずのわりには尿が出る。ブドウ糖の点滴のせいだろう。
病室に戻ったら看護師が血圧を測り、点滴の針を抜いていった。
「もう少し休んでいってもいいですし、大丈夫そうなら診察を受けていってください」
とのこと。
もっと横になっていたい反面、その頃もう15時過ぎで猛烈に空腹。
しばらくゴロゴロしていたがもう帰ることにした。
医師の診察を受けると、膣から大きなガーゼを3枚取り出していた。ゴワっとすごい圧力。子宮ってこんなにガーゼ入るんだなと不思議な気持ちで見ていた。ガーゼは当然ながら血まみれで、ちょっとざわっとする。
その後エコーで中に何もないことを確認していた。
医師「じゃあ来週また来てください」
と終えようとしたので
私「手術は問題なく終わったということですよね」
医師「はい」
私「(内容物を)病理検査に出すと聞きましたが、何がわかりますか」
医師「妊娠が『胞状奇胎』という悪性の場合があるので、それがわかります」
私「流産の原因はわからないんでしょうか」
医師「原因はわからないですね」
私「習慣性流産かどうかもわからないですか」
医師「習慣性は3回以上流産した場合だからね・・・それも検査するとなると・・・」
要は「胞状奇胎」しかわからないそうだが、これくらいの説明は私が求めなくてもしてほしい。聞いたら答えてくれるのはいいけれど、医師が自分から情報提供しないのはずいぶん患者をバカにしていると思う。手術後すぐで気遣ってくれているのかもしれない、と百歩譲って考えても、私はやっぱり納得できない。
私「出血は続きますか」
医師「今日から生理がきたというくらい出血すると思います」
処方された感染症防止の抗生剤(フロモックス)と子宮収縮剤(あすか)、痛み止め(ロキソニン←うちにたくさんあるのに・・・処方する前に聞いてよ)を薬局で購入し、とにかくお腹がすいてタクシーで大急ぎで帰った。
帰宅後はバクバクっとご飯を食べて、寝ていたが、お腹の痛みはなく、出血も全然ない!
前回の流産後は2週間くらいダラダラ出血したので、覚悟してナプキンを当てていたが、ほぼ何も出てこない。手術の日から4日目、ようやく茶色のカスカスが少し出てきた。ガーゼ取り忘れてるんじゃないか?と本気で心配していたが、ネットを見ると出血には個人差があるようだ。この点は自然流産より手術の方が楽なのかもしれない。
子宮が元に戻ろうと収縮しているのか、キュっとした痛みがたまにある。手術から4日後に職場復帰したが、歩くと少しお腹に響く感じがあるし、あははと笑うと痛い。
流産経験者のブログなどを見ると「とにかく泣いた」というのが多い気がするが、私は涙が出るほどの悲しみや喪失感はないかな。オペ室の様子や四肢が固定されることに衝撃を受け、術後のお腹の痛みに泣く余裕もなかったのかも。そして絶食が何よりもつらくて、空腹感ばかり思い出す。