事実婚コンシェルジュ

事実婚を実践しています。妊活の記録に関連して、社会の中の「ジェンダー」や「多様性」について思うことを書いています。

モヤモヤする年末年始:その理由(2016年12月~2017年1月)

私はとにかく自分が納得しないと先に進みたくないタイプ。

体外受精を受けるのか受けないのか、どんな決心をするにも様々なハードルが待ち構えている。

 

1.そもそも子どもがほしい?

「経済的に自立した人間になりなさい」と親に言われて育ち、教育にもずいぶんお金をかけてもらった。

長く学生をやっていたし、社会人になるのも相当遅かった。

でも、この職種では「専門職」と呼ばれる仕事に就いて、不安定な時期は度々あるが自立できている。

 

パートナーと結婚式を挙げた時、36歳。

平均よりは遅いけれど、これまでの選択にまったく後悔はしていないし、自分の経験に誇りを持って生きている。

焦るつもりもなく「子どもがいたら楽しいかもね」くらいの気持ちで生活していた。

「避妊をやめれば、そのうちできるかな。私健康だから。」なんて持っていた。

 

でも、いざ卵管閉塞という現実を突きつけられて、自然妊娠できないかもしれないという状況になり、39歳という年齢を考えると「じゃあ急いだ方がいいのかな・・・」というプレッシャーに変わってきたようにも思える。

 

そして、気持ちが弱くなると、こんな自分が人より劣った存在なのかと思えてしまう。

妊娠、出産だけが自分の価値ではないと、頭ではよーくわかっているのに、「できない」自分がもどかしい。

 

子どもって、強く望んで、熱心に治療して、授かるものだった?

妊娠ってそこまで過酷なことだったっけ?

 

2.仕事どうする?働き方どうする?

転職活動中の私。

職種柄、専門嘱託のような契約ベースの仕事がほどんど。

生きるためにお金は稼がないといけない。

うちの場合、生活費はパートナーとすべて折半のため、失業中だから負担減という特例はつくっていない。

彼が転職活動中で収入ゼロだった時も同じようにしていたので、私だけ特別に甘えたくもない。

 

今の生活レベルを維持するためにはフルタイムの仕事がよい。

でも、不妊治療のために突然休むことが許される職場を今の日本で見つけられるんだろうか?

正直に打ち明けたら採用もしてもらえないだろうし、途中で契約終了なんて可能性もある。

起業したいという目標もあるけれど、すぐにできる状態でもないし。

 

妊娠のために、これまでのキャリアを捨てる覚悟までしないといけないのだろうか?

仕事か、子どもか、選ばないといけないなんておかしいよね?

 

3.婚姻届どうする?

私は今の民法や戸籍法に違和感があり、パートナーと事実婚を選んだ。

住民票上では「未届」が付記されるものの、夫婦として登録されているし、現在失業中の私はパートナーの扶養親族として社会保険に加入できている。

 

事実婚カップルでも体外受精は可能だ。

ただ、東京都の不妊治療助成金の対象は法律婚カップルだけ。

2016年10月30日の日経新聞に「事実婚不妊治療の助成対象に」という記事が掲載され、希望の光が見えたように思えたが、厚生労働省に問い合わせたところ、そのような方針はないとのこと。

なんとガセネタのようだ。

日経に問い合わせたが「記事の情報源は言えない」との回答。

いやいや、厚労省の窓口の女性、「こちらも日経に問い合わせたのですが・・・なぜこのような記事が出たのかわからないです」と言っていたぞ。

不妊治療、事実婚も助成 厚労省が年度内にも要件改正 :日本経済新聞

 

厚労省には「生まれてくる子どもの法的安定性を重視している」と回答されたが、婚外子差別は既に撤廃されている。

法律婚の両親の方が安定しているなんて根拠はないでしょ?

だったらどうして離婚や虐待が減らないの?

 

もう20年以上民法改正を応援してきた。

婚外子差別や女性のみの再婚禁止期間の短縮、若干の改正はあったが、夫婦同氏の強制は変わらない。今の政権では変わることも期待できないだろう。

法改正や、厚生労働省の方針変更を待っていられない。

待っていたら出産可能年齢を過ぎてしまう。

 

事実婚のまま体外受精を受けるという選択もあり。

でも、助成金をいらないといえるほどの高所得世帯でもないのが現実。

一時的にでも、婚姻届を出さないとならないのだろうか?

じゃあ名前、どうする?

私は自分も姓を変えたくないし、相手を変えさせたくもない。

社会制度を自分に合わせて使いこなすことと、自分の信条にがんじがらめになるのは違う。

わかっているけど、どうしても自分と折り合いがつかない。

 

こんなことを、ひとつひとつ整理していかないといけないんだ・・・

考えるほどに、ため息ばかり。

スッキリとお正月を迎えたかったけれど、ずーっとモヤモヤしていた私。